2025.04.14 08:00徳川慶喜の弁舌(2/2)父に代わって詫びる 前回は日米通商条約について水戸斉昭の意見をたずねにきた川路聖謨と永井尚志に対し、斉昭が激怒して追い返したことを聞いた一橋慶喜(斉昭の七男)が、父親をやり込めた話でした。今回はその続きになりますが、前回と同じく現代文に変えて概略を紹介します。【原文「慶喜公と烈公...
2025.04.07 08:00徳川慶喜の弁舌(1/2)水戸家から一橋家に 前回は慶喜が小心者だったために鳥羽伏見の戦いが起き、幕府の滅亡につながってしまったという話をしました。しかし、彼を小心者だと批判する人たちも一致して認めていることがもうひとつあります。それは「頭がずば抜けてよい」という評価です。最後の将軍となった慶喜は将軍に最...
2025.03.31 08:00徳川慶喜はリーダーにふさわしいか?トップの仕事は決断と責任を取ること 世界最大の自動車メーカートヨタの豊田章男会長は「トップリーダーの心得を教えてほしい」と聞かれて、「経営者としてやってきたことは2つだけです。決断と責任を取ること。この2つこそが、経営者の仕事だと思ってやってきました」と答えています。【トヨタイム...
2025.03.24 08:00間違いを認めない人たち無謬性神話 「行政の無謬性(むびゅうせい)」という言葉を耳にされたことがあるでしょうか?これは「行政機関は誤りをおかさない」という意味で、じっさいにはそんなことはありえないのですが、そう見られているというより行政機関がそのようにふるまっているというべきでしょう。今回は「行政の無謬...
2025.03.17 08:00目付は直角に曲がる目付の歩き方 前回「目付が肩で風を切って歩いていた様子を紹介する」と書きましたが、これはいばっているという意味ではなく、じっさいに目付は江戸城内において独特の歩き方をしていました。それは一直線に進んで直角に曲がるという歩き方です。今一つ変わっているのは、その歩き方なので、馬車馬が...
2025.03.10 08:00江戸のキャリア官僚幕府は将軍家の家政 江戸時代の日本は統一国家ではなく、それぞれの藩が自領内の行政権や警察権を保有するいわば連邦国家でした。各藩はそれぞれが国家であり、行政組織として「藩政府」がおかれていました。それら260あまりの藩を統括していたのが徳川幕府ですが、これは将軍家の家政つまり「将軍...
2025.03.03 08:00幕府の真の実力者は?老中よりも奥右筆 幕末に若年寄を務めた永井尚志は、江戸幕府を本当に動かしていたのは老中ではなく、部下の奥右筆だったと語っていました。奥右筆の職務は、「諸役人・諸大名などから老中・若年寄へ提出される書類や届けを整理し、また両者の決裁を要する諸願書などについては前もって先例を調査・検...
2025.02.24 08:00老中も部下次第?威厳はあるが意見はなし 前回は、日本の政治家が官僚に支配されているというのは今にはじまったことではなく、江戸時代の大名も家老の意見に左右されており、その家老たちも自身の部下にあやつられていたという話をご紹介しました。江戸時代に国政を担当していたのは幕府(徳川幕府)で、将軍のもとで...
2025.02.17 08:00部下が上司をあやつるのは日本の伝統?官僚が好き勝手に制度をいじくっている インターネットの論説を見ているとき、あるブログ(『新宿会計士の政治経済評論 2025/2/3』)に、「日本政府(というか官僚ども)が制度を好き勝手いじくった結果、国民経済を疲弊させてまで強引に税金を強制徴収し続けている実態については、エビデン...
2025.02.10 08:00公金無用!公金チューチュー かつてはマスコミつまりオールドメディアが情報を独占していたので、新聞やテレビが報道しない事柄は世間に知られることがありませんでした。しかしSNSの普及で誰もが世界中に情報をひろめることができるようになり、これまで闇の中にひそんでいたさまざまな利権が白日の下にさら...
2025.01.20 08:00殿中はきたなかった裃着用時の正装は裸足 談話や講演においてはときおり「脱線」、つまり本来のテーマとは関話題に話題になってしまうことがあります。書籍であれば推敲の過程でテーマに関係ない部分は削除されますが、講演記録だと脱線部分もそのまま残ってしまいます。でも、これが結構面白いんですよね。今回ご紹介す...
2025.01.06 08:00御所にお参り外郭九門 初詣は神社にお参りするというのが一般的です。ところが神社ではなく、天皇がお住まいの御所に何万人もの人々がむらがってお参りをしたという出来事がありました。今回はその話をご紹介します。現在の京都御所は京都御苑という緑あふれる公園の中にありますが、下の地図のように江戸時代は御...